在庫車であることを利用して値引き交渉をしたり、想定外の在庫車をつかまされないように見分け方を身につけたり、在庫車についてもっと知って上手に在庫車とお付き合いをしましょう。
このページでは在庫車についての基本的な知識や在庫車の見分け方、値引き交渉のコツなどについて書いています。
在庫車とは?
メーカー在庫車とは?
メーカー在庫車とは、在庫としてメーカーによって保管されている新車のことを言います。
基本的に新車は受注生産になっていて、お客→ディーラー→メーカーに注文が来てから生産を始めます。
ただし、人気車種などで注文が非常にたくさんある場合、1台1台受注生産をしていたらとてもじゃないですが、大量のバックオーダーをさばききれません。
そこで、ある程度、人気の車種、グレード、色などを絞って、注文が入る前に大量に生産しておいてストックを作っておき、納期を早める場合があります。
また、受注生産とはいえ、完全に注文が入ってから生産を開始するわけはなく、あらかじめだいたいの販売台数を見越して、数ヶ月前から生産計画を立てて生産しています。
あらかじめ部品メーカーに部品の発注もしないといけませんからね。
当然ながら計画よりも売れたり売れなかったりということは多々あるので、作りすぎて在庫車になってしまうこともあります。
ディーラー在庫車とは?
一般的に在庫車というとメーカーで保管されている新車のことを言いますが、これとは別にディーラーが保管している在庫車もあります。
ディーラーで売れ筋の車種、グレード、カラーなどを絞って、見込みオーダーをかけてストックしている新車です。
ただし、見込み通りに売れればいいですが、売れ残ってしまい売れ残り在庫車となってしまうことも多いです。
特に、軽自動車やコンパクトカーなどはモデルチェンジ直前に大量の見込みオーダーをかけて、旧型の在庫を抱え込み、売れ残って在庫車となるケースが多いです。
なぜそんなことをするかというと、軽やコンパクトカーなどは必ずしも新型じゃなくても安い方がいいというニーズがあるからなんですね。
それとは逆に「押し込み」といってメーカーから販売店にメーカーが売りたい車種、グレード、カラーなどを一方的に売りつけた在庫車もあります。
一時期、スズキが販売店への押し込み販売を増やしすぎた結果、大量の新古車が発生してしまった問題がありました。
保管されている期間は?
メーカーで新車が完成すると「完成検査修了証」という書類が発行されます。
この「完成検査修了証」があることによって、新車登録をする際に、実車を陸運局に持ち込む必要なく、書類だけのやりとりで登録手続きを終わらせることができます。
この「完成検査修了証」の有効期限は9ヶ月間となっています。
9ヶ月を過ぎると実質的に新車として登録できなくなるので、9ヶ月を超えるような長期の在庫車が新車としてお客さんに売られることはありません。
完成検査切れ、完切れ車などと呼ばれます。
(陸運局に実車を持ち込み所定の検査をパスすることによって登録することはできます。)
一般的には、完検切れの中古車として中古車市場に流通させたり、完切れになる前に登録だけ済ませて登録済み未使用車として販売することが多いようです。
なかにはレンタカーや教習車になる場合もあります。
在庫車の見分け方は?値引き交渉はできる?
在庫車であることを見分けることができれば値引き交渉の材料になります。
特にディーラーの売れ残り在庫車の場合、担当者はできるだけ早く売りさばきたいと思っているので、大幅値引きも期待できます。
グレード、カラー、オプションを選べない
在庫車はグレード、カラー、メーカーオプションなどが決まっているため、「この車種のオススメグレードはこれです!」「人気カラーはこれです!」など特定のグレードやカラーなどを押してくる場合は在庫車の可能性が高いです。
「お買い得車なのでメーカーオプションは選べないです~。」などのセリフが出れば完全に在庫車です。
納期が1~3週間程度と早い
ディーラーにある在庫車の場合、納車前の点検・整備や契約書・車検証など各書類の準備などの期間を入れてもだいたい1~2週間程度。
メーカーにある在庫車の場合、船などで輸送する日数も入れてだいたい2~3週間程度と、ほぼ即納と言ってもいいくらいの超短期での納車が可能の場合、100%在庫車です。
想定外の在庫車をつかまされないために
在庫車だと納得して相応の値引きもしてもらった上で購入するのならいいですが、自分が知らないうちに在庫処分の車を引き当てられていたらなんとなく気分が悪いものです。
まあ、完切れ直前まで保管されていたような長期在庫車でもない限り、基本的に品質には問題ないはずですので気分の問題だけなんですけどね。
このような在庫車をつかまされないようにするには、あまり多くの方がつけないであろうメーカーオプションを付けたり外したりしてみて、納期や値引き額に変化がでるかどうか見てみるという手があります。
ディーラーに信頼できる担当者がいるなら素直に聞けば教えてくれると思いますが、なかにはかたくなに在庫車であることを認めない販売店・セールスもいますからね・・・。
在庫車は野ざらし雨ざらしで保管されているホント?
少し前にホンダのフィットやヴェゼルなどが大量に雨ざらし野ざらしで保管されていると話題になっていました。
ただし、これはなにもホンダに限った話ではなく、トヨタ、日産などのすべての自動車メーカーに当てはまることで、在庫車はきれいな屋内の工場で丁寧に保管されている・・・なんてことはなく、こんな感じで野外に放置されています。
一応、ボンネットやルーフには保護用のシートが貼られていて、納車前にはしっかり点検・整備されてくるので、何か問題があるというケースは稀ですが・・・。
一消費者としては、決して安い買い物ではないので、もうちょっとなんとかならんのかな?と思うところではあります。
コメント